2015年04月21日

「おでかけパス65」の効用




矢野町、相生市のみなさんは、ウエスト神姫さんの「おでかけパス65」をご存知ですか。相生市内には市営バスもコミバスも走っておらず、ウエスト神姫さんの路線バスが走るのみです。

昨年度下期(9月~3月)、ウエスト神姫さんが「おでかけパス65」を試験的に期間限定で発売されました。市内の65歳以上の方が「おでかけパス65」を申し込まれると、その期間、利用者負担金1000円で市内の路線バスが1乗車100円で乗れます。

矢野町住民の切なる願いとして路線バステクノ線の港方面直通化の要望もあり、矢野町とウエスト神姫さんはこれまで何度か地域と事業者の間で懇談会を開いてきました。そのなかで社長さんはおっしゃられました。「ウエスト神姫も方向性を転換しようと思っています。これまで採算に合わない路線は切り捨てる方向でしたが、『生涯現役』をスローガンにいかに利用者を増やすことができるか、乗っていただける利用者を増やす方向に変えようと思っています」。

「おでかけパス65」は矢野町としてもありがたいです。従来、矢野町から相生駅まで片道500円以上かかっていましたから。往復で1000円以上のところが200円でいけます。デマンドタクシーを利用しても400円です。そこで、矢野町は地域としてもこれを推進しようと、地域でとりまとめ一人ずつの証明写真を撮りパスの台紙に貼りつけて、まとめて申込みました。矢野町で80名以上の申し込みがありました。

矢野町は、そのフォローアップとして申込みされた方全員に利用実態アンケートをしました。ほぼ全員の方から回答を得ることができました。その設問の中で「おでかけパス65」を申し込んでから「a 路線バスにあらためて乗るようになった」「b 路線バスを利用する回数が増えた」という回答が59名、全体の約4分の3を占めました。

自由意見でも一部紹介すると
・通院、買物に気軽に出かけられるようになりました。
・自転車に乗れなくなったので歯医者さんとか農協、郵便局へも気軽に行けて大変助かっています。
・「おでかけパス65」ができたから、家族に送ってもらう回数が減った。
・独居老人です。行き先は病院と買物です。有難いです。
・低料金で乗れるので外出が多くなった。
・経済的に負担が少なくなり気分的にバスに乗るのが楽しみになった。外に出る事が少なくなっていたのが、幾分増えたように思い、外の景色を見るのが楽しみである。
・昨年までは、たまに自転車で危険と知りつつ相生方面に出かけていましたが、「おでかけパス65」導入のお陰で毎回バスを利用しています。以前より出かける回数も増えました。
・気軽に出かけられることはありがたいと思います。病院帰りにペーロン場を覗いてみることも気軽になり楽しみが増えたことを感謝しています。

これら設問の回答や自由意見から、「おでかけパス65」は高齢者の外出のしやすさを引き出していて、高齢者の健康(認知症予防)や生きがい、生活の意欲などQOL(生活の質)を高める上でも意義ある福祉事業だというのがわかります。また、その恩恵は高齢者本人にとどまらず、送り迎えの家族にとっても負担が軽減されることがわかりました。

そういうことで、この結果をもって3月にウエスト神姫さんにお願いに行き、ウエスト神姫さんの英断で「おでかけパス65」は4月以降も半年間延長されることになりました。矢野町の方々はみなさん感謝されています。今期も地域で取りまとめ、約10名の方が新たに申し込まれました。こういう事業こそ本来、地域と事業者と行政が三位一体となって行う協働事業なのだと思います。10月以降も「おでかけパス65」が定常事業として継続されることを願っています。

こ  


Posted by 矢野町交流広場 at 13:29Comments(0)推進員のつぶやきお知らせ・案内