2013年09月26日

◆矢野荘が世界の矢野荘に-相生市のまちづくりへ

先のブログの「矢野歴史講座」では、中世の時代、矢野荘で起きた惣荘一揆を取り上げ、そこからご先祖様の生活の様子を垣間見てきました。それは「東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)」という古文書に矢野荘の記録があることからわかるのでした。当時、東寺は矢野荘の領主でしたから。

数ヶ月前の新聞記事ですが(日付を記録するのを忘れた)、朝日新聞を読んでいると、下の記事に目が留まりました。

矢野荘が世界の矢野荘に-相生市のまちづくりへ


文部科学省が、ユネスコの世界記憶遺産に2015年の登録を目指す、ということです。これってなんかすごくないですか。登録されれば、世界の中の矢野荘になりますよ。

中世「矢野荘」は、範囲として現在の相生市とほぼ同じということです。去年の3月に開いた「三濃山シンポジウム」で講演いただいた松本恵司先生は、ご自身の著書『ふるさと相生再発見』(2012、相生いきいきネット)のなかで次のようにおっしゃられています。

  戦後の町村合併から、まもなく60年。私たちは、相生は一つの統一体で合うという意識をもって、まちづくりを進めたいものです。(p.54)

  矢野荘復活史観の方が相生市全体の統合には、ふさわしいと考えるようになりました。(p.59)

  二十一世紀の(相生市の:筆者記)まちづくり構想のなかに、歴史と文化を位置づけていきたいものです。(p.81)



ぼくもそう思います。相生市のまちづくりは「矢野荘」を基盤におき、そのテーマ性をもって、かつ戦略的に行われるのがいいのかと。東寺百合文書が2015年に世界記憶遺産に登録されようとしているいい機会です。官(行政)・民(地域住民)あげて実現できればと思います。「矢野荘友の会」が立ち上がるという話もありますし、ぜひぜひ。


ちなみに、新聞記事に書かれている「御堂関白記」と「慶長遣欧使節関係資料」は、今年6月に登録されました。


「世界記憶遺産」とは

歴史的な文書や絵画、音楽や映画の保存と振興を目的にユネスコが1992年から実施している事業。遺跡や自然環境が対象の「世界遺産」、芸能や伝統工芸技術が対象の「無形文化遺産」と共にユネスコの「三大遺産事業」ともいう。政府機関のほか地方自治体や個人も申請できる。

選考は2年に1回で、2011年までに「アンネの日記」や「マグナカルタ」など245件が登録されている。


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Posted by 矢野町交流広場 at 17:15│Comments(4)推進員のつぶやき
この記事へのコメント
我々が温めてきた想いの深さに、世間の追い風が吹いてきた感があります。
「もう既にそうである」との認識に基づいて、自身の喜びとします。
嬉しいご報告ありがとうございました。
Posted by ひろぽん at 2013年09月26日 17:49
ひろぽんさん

イケてる田舎目指して、なんかやらないといけないことがどんどん湧きあがる感じです。大変だ―。
まずは歴史セミナー成功させましょう。
近いうちに集まりましょう。

Posted by 矢野町交流広場 at 2013年09月27日 00:40
グッドニュースの紹介、ありがとうございます。
歴史学には全くの門外漢ですが、これを期に中世矢野荘の自治の実態が公けにされればいいですね。
1970年前後に流行した羽仁五郎さんの「都市の論理」に描かれたヨーロッパのルネッサンスに至る自治とは内容規模は違っても、同時代の日本にも「田舎の論理」と言うべき自治があったことが公けに証明されることに至ればきつと、素晴らしい発見なのでしょうね?
Posted by デコン at 2013年10月21日 17:45
デコン様

そうですね。矢野荘=現相生市が世界に知られるところとなるとうれしいですね。
それも、中世の村落自治を受け継ぎ、あるいはあらためて見直し、現代における地域自治(=住民自治)を実現している地域としてですね。

Posted by 矢野町交流広場 at 2013年10月21日 23:47
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