2015年06月30日
◆『矢野町交流広場ニュース6月号』
『矢野町交流広場ニュース2015.6.25号』をお届けします。
今回は、矢野小学校グラウンドの芝生植え替えの報告と「矢野町ふれあい納涼祭」中止のお知らせおよび「あいおいふれあい寄席」のご案内です。どうぞご覧ください。
(画像をクリックすると大きくなります)
こ
今回は、矢野小学校グラウンドの芝生植え替えの報告と「矢野町ふれあい納涼祭」中止のお知らせおよび「あいおいふれあい寄席」のご案内です。どうぞご覧ください。
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こ
タグ :ニュース
2015年06月29日
◆『まるはり』に「おてらdeらいぶ」の記事
「まるごとはりま」。播磨地域の情報誌『まるはり』に4月に行われた矢野町音楽祭「おてらdeらいぶ」の記事が載りました。
「おてらdeらいぶ」は、ラジオ関西の番組で谷五郎さんに取材していただきましたが、今回、『まるはり』8月号の「谷五郎の西播磨暮らし」というコーナーでそのときのことが少し取り上げられています。
よかったら見てみください(買ってね!540円税込)。
やっぱり著作権があるから大きくは載せられないなぁ。雰囲気だけでも。
ちなみに8月号の特集は、「はりまの夏を遊ぶ おでかけ特集」です。また、食のいろんなお店が紹介してありますよ。
こ
「おてらdeらいぶ」は、ラジオ関西の番組で谷五郎さんに取材していただきましたが、今回、『まるはり』8月号の「谷五郎の西播磨暮らし」というコーナーでそのときのことが少し取り上げられています。
よかったら見てみください(買ってね!540円税込)。
やっぱり著作権があるから大きくは載せられないなぁ。雰囲気だけでも。
ちなみに8月号の特集は、「はりまの夏を遊ぶ おでかけ特集」です。また、食のいろんなお店が紹介してありますよ。
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2015年06月25日
◆矢野小グラウンドの「芝生」の植替え
6月20~22日の3日間、梅雨の合間を縫って、矢野小学校のグラウンドの芝生の植え替え作業が行われました。
矢野小学校のグラウンドは平成21年に芝生に変わり、以来、住民に親しまれ、裸足の運動会や納涼祭、各種スポーツ活動に活用されてきました。しかし、近年、芝がはげたり、雑草が生えたり、かなり傷んでいたので、住民や団体から寄付を募り、補助金も活用して新たに植え替えることにしました。
20日は少年少女サッカーチームを中心に約50名、21日はグラウンドゴルフ利用者、自治会、PTAを中心に約60名、雨のため19日から変更になった22日は小学校の全校児童と先生の約40名で行われました。
最初は、グラウンドの全面植え替えにどれくらい時間がかかるだろうと心配でしたが、直前まで降っていた雨で土もやわらくなっていて、思ったよりスムーズに作業が進みました。小学校の子どもたちは、9月の運動会をきれいになったグラウンドで行えるのを楽しみにしていました。
写真は22日の植え替えの様子です。
穴の空いたシートを使って等間隔に芝の苗を置いていきます
ちと固いかな?
半分ぐらいできた
あと少し
残った苗はここに持ってきてね
おもーい
池田さんのカメラにインタビュー 「運動会までにきれいになっているといいな」
トラックは21日に自治会やPTA、グラウンドゴルフのみなさんで行いました
ちなみに、今、矢野小は耐震工事のため窓がありません
こ
2015年06月23日
◆「あいおいふれあい寄席」のご案内
7月4日、第14回「あいおいふれあい寄席」を矢野町交流広場で開催します。
今回の演者は、落語家 桂治門(かつらじもん)さんです。
ぜひ、交流広場まで足をお運びください。
ジメジメした空気を笑いで吹き飛ばそう!
チケットは各集落の自治会長さんまで。
なお、子どもさん(小中学生)は前売り・当日とも500円です。
チラシです。画像をクリックすると大きくなります。
こ
今回の演者は、落語家 桂治門(かつらじもん)さんです。
ぜひ、交流広場まで足をお運びください。
ジメジメした空気を笑いで吹き飛ばそう!
チケットは各集落の自治会長さんまで。
なお、子どもさん(小中学生)は前売り・当日とも500円です。
チラシです。画像をクリックすると大きくなります。
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2015年06月19日
◆矢野歴史講座16-「掟」の現代的意義を考える
集落の総会での決め事から普請(共同作業)や葬式の取り決め、そしてメンバーの倫理規範まで、「掟」は「仲間」内(共同体)で作られる決まりごとでした。そしてそれをみんなで守ることを約束する行為が「契約」でした。
では、「掟」は何のために作られたのか。それはひとえに自分たちが「生きる」ために共同体を円満に存立せしめ円滑に維持するためといえます。これまで村落共同体の一員としてご先祖様はここに苦心し多大な労力を費やしてきたのではないでしょうか。
しかし、ご先祖様が生きた時代と今私たちが生きている時代は社会構造がまったく違っています。かつてのように集落全体が農作によって立っているわけではなく、私たちは個々が独立し様々な職業により生計を立てています。つまり、かつてのような稲作を中心に自然と存立した村落共同体は成立しなくなっているのです。そのような時代変化、社会構造のなかで、今、「掟」にどんな意味があるのでしょう。
「掟」は「仲間」内(=共同体)で作る約束事でした。つまり、共同体がなければ「掟」など存在しないわけです。地域という範囲でみた場合、地域共同体はあるのか、ということです。
現在の社会の状況を鑑みるとき、全国において高齢化が進展しています。政府は認知症など高齢者のケアについて行政だけでは手に負えず、「地域包括ケア」という考え方のなかで地域に下ろそうとしています。また、近年あちこちで起こる大きな自然災害です。そういう現実の状況のなかで、それらに立ち向かう手段として再び「地域の絆」や「地域コミュニティの再生」ということが発せられ、「共同体」自体が見直されているのです。
つまり、かつての村落共同体ではなく新たな地域共同体が必要とされています。哲学的にいえば、それはまさにあらなければならないもの(当為)としての共同体ということになります。これまで高度経済成長とともに家族や地域コミュニティの希薄化が進みましたが、共同体は上記の助け合いや人間形成において人が生きていく上でやっぱり必要なんですね。ただ、今ではかつてのように農耕を中心に自然と共同体が存立しませんので、現代の私たちは知恵を絞り地域で共同体=「仲間」という関係をいかに築いていくかがカギとなっています。
話を「掟」に戻して、結局、当為概念として地域共同体は存在し、したがって「掟」もまた存在しうるということになります。「掟」は「仲間」(共同体メンバー)が寄り集まって自分たちで作った約束事でした。前述の自分たち地域の高齢者のケアをどうするかだとか、災害時に地域は具体的にどう行動するかだとか、それ以外にも地域に起こる課題に対して、当事者である地域の人たちが主体的に寄り合い、どうするか話し合って決める。そして決めたことはきっちり実行する。そうやって地域共同体(「仲間」という関係)の人たちが自ら決めたことが「掟」なんだと私は思います。
最近の学的研究では、民法や刑法といったユニバーサルな法律を「hard law」、それに対して自分たちだけに通用する決まりを「soft law」といい、これからの社会のあり方として「soft law」の重要性が指摘されています。まさに「掟」は「soft law」であり、地域自治と切っても切れない関係にあるといえます。
「契約」の風景 (平成19年長尾契約講 宮城県石巻市北上町長尾)
こ
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では、「掟」は何のために作られたのか。それはひとえに自分たちが「生きる」ために共同体を円満に存立せしめ円滑に維持するためといえます。これまで村落共同体の一員としてご先祖様はここに苦心し多大な労力を費やしてきたのではないでしょうか。
しかし、ご先祖様が生きた時代と今私たちが生きている時代は社会構造がまったく違っています。かつてのように集落全体が農作によって立っているわけではなく、私たちは個々が独立し様々な職業により生計を立てています。つまり、かつてのような稲作を中心に自然と存立した村落共同体は成立しなくなっているのです。そのような時代変化、社会構造のなかで、今、「掟」にどんな意味があるのでしょう。
「掟」は「仲間」内(=共同体)で作る約束事でした。つまり、共同体がなければ「掟」など存在しないわけです。地域という範囲でみた場合、地域共同体はあるのか、ということです。
現在の社会の状況を鑑みるとき、全国において高齢化が進展しています。政府は認知症など高齢者のケアについて行政だけでは手に負えず、「地域包括ケア」という考え方のなかで地域に下ろそうとしています。また、近年あちこちで起こる大きな自然災害です。そういう現実の状況のなかで、それらに立ち向かう手段として再び「地域の絆」や「地域コミュニティの再生」ということが発せられ、「共同体」自体が見直されているのです。
つまり、かつての村落共同体ではなく新たな地域共同体が必要とされています。哲学的にいえば、それはまさにあらなければならないもの(当為)としての共同体ということになります。これまで高度経済成長とともに家族や地域コミュニティの希薄化が進みましたが、共同体は上記の助け合いや人間形成において人が生きていく上でやっぱり必要なんですね。ただ、今ではかつてのように農耕を中心に自然と共同体が存立しませんので、現代の私たちは知恵を絞り地域で共同体=「仲間」という関係をいかに築いていくかがカギとなっています。
話を「掟」に戻して、結局、当為概念として地域共同体は存在し、したがって「掟」もまた存在しうるということになります。「掟」は「仲間」(共同体メンバー)が寄り集まって自分たちで作った約束事でした。前述の自分たち地域の高齢者のケアをどうするかだとか、災害時に地域は具体的にどう行動するかだとか、それ以外にも地域に起こる課題に対して、当事者である地域の人たちが主体的に寄り合い、どうするか話し合って決める。そして決めたことはきっちり実行する。そうやって地域共同体(「仲間」という関係)の人たちが自ら決めたことが「掟」なんだと私は思います。
最近の学的研究では、民法や刑法といったユニバーサルな法律を「hard law」、それに対して自分たちだけに通用する決まりを「soft law」といい、これからの社会のあり方として「soft law」の重要性が指摘されています。まさに「掟」は「soft law」であり、地域自治と切っても切れない関係にあるといえます。
「契約」の風景 (平成19年長尾契約講 宮城県石巻市北上町長尾)
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2015年06月18日
2015年06月17日
◆矢野小「芝生グラウンド」植替え作業のご案内
雨が降ったり、晴れたり、梅雨のはっきりしないお天気が続きます。
さて、5月の『矢野町交流広場ニュース』の紙面でもお伝えしましたが、今週の金土日(6/19~21)に矢野小学校の芝生グラウンドで芝生の植え替え作業を実施します。
矢野小学校のグラウンドの芝生は平成21年にあらたに植えられました。それ以来、芝生グラウンドは小学校の運動場として児童たちが体育や遊び、運動会等で裸足で駆け回り、また矢野町住民にもグランドゴルフやサッカー、納涼祭など、みんなに愛され活用されてきました。しかし、ここ数年、禿げて傷みが激しくなりました。そこで、あらたに住民のみなさまから寄付を募り、全面芝生を植え替えることになりました。
つきましては、下のとおり矢野小学校グラウンドの芝生の植え替え作業を行います。どなたでも、どこの日程でも参加できますので、お手伝いください。より多くの方の参加をお待ちしています。
作業日時:
①6/19(金) 13:30~ 主として、矢野小学校児童
(ただし、雨の場合は6/22(月)に変更)
②6/20(土) 13:00~ 主として、少年少女サッカーチーム
③6/21(日) 8:00~ 主として、グランドゴルフ利用者、
自治会、他
準備するもの:
飲み物、移植ごて(スコップ)
お問い合わせ:
矢野芝生管理委員会 事務局 080-1414-7108(勝谷)
平成23年8月、矢野小芝生グラウンド草抜きの様子
こ
さて、5月の『矢野町交流広場ニュース』の紙面でもお伝えしましたが、今週の金土日(6/19~21)に矢野小学校の芝生グラウンドで芝生の植え替え作業を実施します。
矢野小学校のグラウンドの芝生は平成21年にあらたに植えられました。それ以来、芝生グラウンドは小学校の運動場として児童たちが体育や遊び、運動会等で裸足で駆け回り、また矢野町住民にもグランドゴルフやサッカー、納涼祭など、みんなに愛され活用されてきました。しかし、ここ数年、禿げて傷みが激しくなりました。そこで、あらたに住民のみなさまから寄付を募り、全面芝生を植え替えることになりました。
つきましては、下のとおり矢野小学校グラウンドの芝生の植え替え作業を行います。どなたでも、どこの日程でも参加できますので、お手伝いください。より多くの方の参加をお待ちしています。
作業日時:
①6/19(金) 13:30~ 主として、矢野小学校児童
(ただし、雨の場合は6/22(月)に変更)
②6/20(土) 13:00~ 主として、少年少女サッカーチーム
③6/21(日) 8:00~ 主として、グランドゴルフ利用者、
自治会、他
準備するもの:
飲み物、移植ごて(スコップ)
お問い合わせ:
矢野芝生管理委員会 事務局 080-1414-7108(勝谷)
平成23年8月、矢野小芝生グラウンド草抜きの様子
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2015年06月15日
2015年06月12日
◆矢野歴史講座15-「掟」について
矢野歴史講座、今回は荘園時代の村-惣村そうそん-における自治の特徴の一つ、「掟」(惣掟そうおきて)についてみていこうと思います。
「掟」と聞くと何か怖いイメージがありますね。みなさんはどうですか。「掟」とは一体どういうものだったのでしょう。たぶん矢野町の14集落でも現在、村の「掟」が残っているところはないんじゃないでしょうか。「掟」は成文化されることが必須ではないので、たぶんそれは今では道つくりや溝掃除などのいわゆる普請(共同作業)としての決まりやお葬式での取り決めが慣習として存在するのだと思います。
以前、中世から存在する村落の自治組織として主に東北地方に残る「契約講」という組織をここ(http://yanochohiroba.tenkomori.tv/e274347.html)で紹介しました。今回その契約講の「掟」をみてみましょう。
ここに宮城県石巻市北上町の行人前村に残る『契約講中掟覚帳』という古文書があります(上写真)。弘化3年(1846)とありますから江戸時代の末期に書かれたようです。「覚帳」とあるように、年2回ある「契約」(今でいう自治会の総会にあたる)で決議されたこと、あるいは村の出来事が記録されています。いわゆる今でいう議事録です。その議事録がつづられる前段ページの最初の紙面に「掟」という文字が書かれています。
「掟」の内容は、最初に「契約」(総会)が期日に間違いなく執り行われることとうたわれ、契約講の人員、「契約」(総会)は必ず出席すること-個人の所用で欠席しないこと、葬式の互助について「地取(じどり)」「陸尺(ろくしゃく)」「飛脚」といったそれぞれの役割が細かく書かれています。また、集落内の互助作業「結」についても家を建てたり屋根の葺き換え等入り用があれば手伝うこととあります。
そして、「掟」の最後に「右の通り取り決めたので間違いなく固く守るようにし、それぞれが心掛けて日々の生活をおくり、もし背く者があれば仲間一同(契約講員を「仲間」と呼んでいます)が集まって吟味し、講員から除外する」ことが明記されています。つまり、「掟」に背いたら罰則があったわけです。当時は講員(=「仲間」)からの除外が最も厳しい罰則だったようです。共同体を外れると生きていけませんから。この記述の後に講員全員による連判が続きます。
時が下って明治4年(1871)に7条からなる新たな「掟」が追加されたようです(下写真)。一つずつ見ていくと、
①朝夕の礼儀を堅く守ること(挨拶)
②老人を敬い仁義を尽くすこと
③同輩と交わり喧嘩口論等しないこと
④同輩のことを陰日向で悪口を言わないこと
⑤他村で口論等が起こったときは見捨ててはならない
⑥たとえ酒の上のことであっても他人の悪口を言ってはならない
⑦取り調べや話し合うことがある時はただちに集まって寄合をすること
となっています。これらをみると、村落(あるいは今では地域)が他人との関係性のなかで人を作り、育ててきたことが分かります。
そして、この箇条のあとに「家の者(妻子供)にも普段から言い聞かせておくこと」「背いた者がいる場合は、講員で取り調べの上五貫文(銭五千文)の罰金を申しつける」ことになっています。ここで「掟」に背いた罰則が講員の除外ではなく罰金になっているところは興味あるところです。
このように「掟」の中身を見てくると、「掟」とは共同体という「仲間」内での決め事といえます。それらは自分たちで寄り合って決めたものです。ですので、一揆に通じる連判を行うことによって堅く守ることを誓ったのでした。それに背くと当然のごとく罰せられたわけです。
そして、この「掟」の有り様から「契約講」で使われるもともとの「契約」という意味が見えてきます。すなわち、「契約」とは「仲間」(共同体)で取り交わす決め事、約束だったのです。
次回、「掟」をもう少し掘り下げて、「掟」の現代的意義について考えてみたいと思います。
こ
「掟」と聞くと何か怖いイメージがありますね。みなさんはどうですか。「掟」とは一体どういうものだったのでしょう。たぶん矢野町の14集落でも現在、村の「掟」が残っているところはないんじゃないでしょうか。「掟」は成文化されることが必須ではないので、たぶんそれは今では道つくりや溝掃除などのいわゆる普請(共同作業)としての決まりやお葬式での取り決めが慣習として存在するのだと思います。
以前、中世から存在する村落の自治組織として主に東北地方に残る「契約講」という組織をここ(http://yanochohiroba.tenkomori.tv/e274347.html)で紹介しました。今回その契約講の「掟」をみてみましょう。
ここに宮城県石巻市北上町の行人前村に残る『契約講中掟覚帳』という古文書があります(上写真)。弘化3年(1846)とありますから江戸時代の末期に書かれたようです。「覚帳」とあるように、年2回ある「契約」(今でいう自治会の総会にあたる)で決議されたこと、あるいは村の出来事が記録されています。いわゆる今でいう議事録です。その議事録がつづられる前段ページの最初の紙面に「掟」という文字が書かれています。
「掟」の内容は、最初に「契約」(総会)が期日に間違いなく執り行われることとうたわれ、契約講の人員、「契約」(総会)は必ず出席すること-個人の所用で欠席しないこと、葬式の互助について「地取(じどり)」「陸尺(ろくしゃく)」「飛脚」といったそれぞれの役割が細かく書かれています。また、集落内の互助作業「結」についても家を建てたり屋根の葺き換え等入り用があれば手伝うこととあります。
そして、「掟」の最後に「右の通り取り決めたので間違いなく固く守るようにし、それぞれが心掛けて日々の生活をおくり、もし背く者があれば仲間一同(契約講員を「仲間」と呼んでいます)が集まって吟味し、講員から除外する」ことが明記されています。つまり、「掟」に背いたら罰則があったわけです。当時は講員(=「仲間」)からの除外が最も厳しい罰則だったようです。共同体を外れると生きていけませんから。この記述の後に講員全員による連判が続きます。
時が下って明治4年(1871)に7条からなる新たな「掟」が追加されたようです(下写真)。一つずつ見ていくと、
①朝夕の礼儀を堅く守ること(挨拶)
②老人を敬い仁義を尽くすこと
③同輩と交わり喧嘩口論等しないこと
④同輩のことを陰日向で悪口を言わないこと
⑤他村で口論等が起こったときは見捨ててはならない
⑥たとえ酒の上のことであっても他人の悪口を言ってはならない
⑦取り調べや話し合うことがある時はただちに集まって寄合をすること
となっています。これらをみると、村落(あるいは今では地域)が他人との関係性のなかで人を作り、育ててきたことが分かります。
そして、この箇条のあとに「家の者(妻子供)にも普段から言い聞かせておくこと」「背いた者がいる場合は、講員で取り調べの上五貫文(銭五千文)の罰金を申しつける」ことになっています。ここで「掟」に背いた罰則が講員の除外ではなく罰金になっているところは興味あるところです。
このように「掟」の中身を見てくると、「掟」とは共同体という「仲間」内での決め事といえます。それらは自分たちで寄り合って決めたものです。ですので、一揆に通じる連判を行うことによって堅く守ることを誓ったのでした。それに背くと当然のごとく罰せられたわけです。
そして、この「掟」の有り様から「契約講」で使われるもともとの「契約」という意味が見えてきます。すなわち、「契約」とは「仲間」(共同体)で取り交わす決め事、約束だったのです。
次回、「掟」をもう少し掘り下げて、「掟」の現代的意義について考えてみたいと思います。
こ
2015年06月10日
2015年06月08日
◆矢野歴史講座14-前回の補足
矢野歴史講座も終盤にかかっています。といっても前回が昨年の10月でした。がんばります。今回は、次のテーマに入る前に少し前回の補足をしておきまよう。
前回の「村の合意形成と全員一致」では、村の寄合で行われる合意形成で全員一致とはどういうことかをみてきました。一揆の一味神水や起請文(当事者全員による誓約書)や村の掟に印される血の連判は、全員一致の証明というよりは、その決定に対して全員が遵守することを約束する儀式ではなかったかと言いました。そのことを以前にも取り上げた『東寺百合文書』の「播磨国矢野庄例名内是藤名名主実長申状」の一文が物語っています。
その申状は、東寺が1377年の惣荘一揆の首謀者を名主である実長一人に押し付けて、農民の結束を分断させようとしたのに対して、実長が反論したものです。
「惣荘50余名の名主数十人、一味同心に連判をもって訴え申すとき、いかに一人異議を唱えることができようか。もし惣荘の一揆に背いたらたちまち罰せられるので、一旦の難を逃れるため本意にあらずといえども判を押したのだ。何によって一人に首謀者を押しつけるのか。当名(是藤名)を奪い取ろうと貶める企てだ。容易に推し量れる。もし現地農民の連判した者すべてに罪があるのなら、荘園の住人すべてにその咎めを行いなさい。すでにその考えはなく、祝師(ほうりし)は去年行貞名を充てがわれている」。
この文章はなかなか興味深い文章です。ここからいろいろと推測できます。
まず一つは、自分が言うように一揆の一味神水は全員一致ではなく全員が約束を守る儀式、いえ、約束を破らないことを誓う儀式といえます。
そして、二つ目に惣荘の中心人物である実長は必ずしも惣荘一揆に賛成ではなかったということ(これは咎めから逃れるために嘘かもしれませんが)。
三つ目にリーダー一人の考えが絶対ではなく、決議は寄合でみんなで決め、その責任はメンバー全員にあること。民主的といえます。
当時の農民(ご先祖様)の寄合(惣儀)の有り様が分かりたいへん興味深いです。これも『東寺百合文書』のお陰ですね。世界記憶遺産に認定されるのが待ち遠しいです。
「播磨国矢野庄例名内是藤名名主実長申状」『東寺百合文書』
(京都府立総合資料館アーカイブより)
こ
前回の「村の合意形成と全員一致」では、村の寄合で行われる合意形成で全員一致とはどういうことかをみてきました。一揆の一味神水や起請文(当事者全員による誓約書)や村の掟に印される血の連判は、全員一致の証明というよりは、その決定に対して全員が遵守することを約束する儀式ではなかったかと言いました。そのことを以前にも取り上げた『東寺百合文書』の「播磨国矢野庄例名内是藤名名主実長申状」の一文が物語っています。
その申状は、東寺が1377年の惣荘一揆の首謀者を名主である実長一人に押し付けて、農民の結束を分断させようとしたのに対して、実長が反論したものです。
「惣荘50余名の名主数十人、一味同心に連判をもって訴え申すとき、いかに一人異議を唱えることができようか。もし惣荘の一揆に背いたらたちまち罰せられるので、一旦の難を逃れるため本意にあらずといえども判を押したのだ。何によって一人に首謀者を押しつけるのか。当名(是藤名)を奪い取ろうと貶める企てだ。容易に推し量れる。もし現地農民の連判した者すべてに罪があるのなら、荘園の住人すべてにその咎めを行いなさい。すでにその考えはなく、祝師(ほうりし)は去年行貞名を充てがわれている」。
この文章はなかなか興味深い文章です。ここからいろいろと推測できます。
まず一つは、自分が言うように一揆の一味神水は全員一致ではなく全員が約束を守る儀式、いえ、約束を破らないことを誓う儀式といえます。
そして、二つ目に惣荘の中心人物である実長は必ずしも惣荘一揆に賛成ではなかったということ(これは咎めから逃れるために嘘かもしれませんが)。
三つ目にリーダー一人の考えが絶対ではなく、決議は寄合でみんなで決め、その責任はメンバー全員にあること。民主的といえます。
当時の農民(ご先祖様)の寄合(惣儀)の有り様が分かりたいへん興味深いです。これも『東寺百合文書』のお陰ですね。世界記憶遺産に認定されるのが待ち遠しいです。
「播磨国矢野庄例名内是藤名名主実長申状」『東寺百合文書』
(京都府立総合資料館アーカイブより)
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2015年06月04日
◆ホタル観賞会のご案内
ホタルの時期ですね。矢野町でもホタルを見ることができますよ。
(ちなみに上の画像はイメージです)
ということで、「才元の里ふるさと交流館」でホタルの観賞会が下記の通り開催されます。
よかったら、参加されてみてはいかが。
予定期間 6月6日(土)~6月14日 20:00~21:00
参 加 費 無料(1日10名程度)
集合場所 ふるさと交流館
静かな里に舞うホタル達を、ゆっくり観賞しませんか。
運営協議会員が絶好のポイントまでご案内します。
参加希望者はご利用日の12:00までにお電話にてお申し込みください。雨天中止
申込み・問合せ先 :
才元の里 相生市立ふるさと交流館
〒678-0091 兵庫県相生市矢野町中野129番
TEL.0791-29-1010 FAX.0791-29-1012
E-mail. ai-hurusatokouryukan@mist.ocn.ne.jp
こ
タグ :ホタル
2015年06月01日
◆矢野町「コミュニティ福祉事業」立上げメンバー募集
矢野町のみなさまにはすでに各集落の回覧でお知らせしていますが、今、矢野町まちづくり推進委員会では「コミュティ福祉事業」の立上げ検討メンバーの募集をしています。
相生市矢野町は、市の最北端に位置する農村地域で、面積は市の約4割を占め広く(約38万㎢)、その約9割が自然豊かな山林(里山)で、その複数の谷筋や平地に14の集落が点在します。地域には三濃山求福教寺や能下の「犬塚」など史跡が数多く残り、歴史あるまちです。
人口は約1800人、約600世帯が暮らします。人口の約4割が65歳以上です。そして全世帯の2割弱が一人暮らしで、そのほとんどが70歳以上です。今後、ますます高齢化が進行し一人暮らしのお年寄りが増えることが予想されます。そこで、自律した地域をめざす矢野町は、お年寄りの孤立を避け外出支援や健康維持など地域ぐるみで支え合っていきたいと考えます。
その方策として、①外出移動支援事業、②地域の居場所づくり‐サロン事業、③健康づくり事業の3事業を柱に持続できる総合的な「コミュニティ福祉事業」の立ち上げを検討していきたいと思っています。
想定される取り組みの内容
①外出移動支援事業
矢野町は面積が広く複数の谷筋に集落が点在します。路線バスが通る幹線(テクノライン)に出るのも、また公民館やJAなど町内の施設に行くにも、特に自力手段のない高齢者にとっては困難です。これを地域交通として住民が支える仕組みを構築したい。
②地域の居場所づくり-サロン事業
JA矢野支店併設の空きスペース「ふれあい広場」を活用して、高齢者をはじめとする住民が気軽に集え、おしゃべりのできるサロンを開設します。そのサロンで歌声喫茶やシネマ鑑賞など様々な催しを展開。
③健康づくり事業
上記のサロンを活用したり、各集落の公民館へ出張して「いきいき百歳体操」などの健康体操を定期的に開催します。また、天気がよい時は景色のいい町内を散歩します。
矢野町で、ぜひこういうことをワイワイおしゃべりしながら話し合える検討チームを作りたいと思っています。「ちょっとおもしろそうやな」、「やってみよか」と思われる方は、矢野町交流広場にいるコミュニティ支援員の古賀までご連絡ください。6月19日〆切。
(電話FAX:0791‐29‐1580、メール:info@yano-cho.com)。
こ
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相生市矢野町は、市の最北端に位置する農村地域で、面積は市の約4割を占め広く(約38万㎢)、その約9割が自然豊かな山林(里山)で、その複数の谷筋や平地に14の集落が点在します。地域には三濃山求福教寺や能下の「犬塚」など史跡が数多く残り、歴史あるまちです。
人口は約1800人、約600世帯が暮らします。人口の約4割が65歳以上です。そして全世帯の2割弱が一人暮らしで、そのほとんどが70歳以上です。今後、ますます高齢化が進行し一人暮らしのお年寄りが増えることが予想されます。そこで、自律した地域をめざす矢野町は、お年寄りの孤立を避け外出支援や健康維持など地域ぐるみで支え合っていきたいと考えます。
その方策として、①外出移動支援事業、②地域の居場所づくり‐サロン事業、③健康づくり事業の3事業を柱に持続できる総合的な「コミュニティ福祉事業」の立ち上げを検討していきたいと思っています。
想定される取り組みの内容
①外出移動支援事業
矢野町は面積が広く複数の谷筋に集落が点在します。路線バスが通る幹線(テクノライン)に出るのも、また公民館やJAなど町内の施設に行くにも、特に自力手段のない高齢者にとっては困難です。これを地域交通として住民が支える仕組みを構築したい。
②地域の居場所づくり-サロン事業
JA矢野支店併設の空きスペース「ふれあい広場」を活用して、高齢者をはじめとする住民が気軽に集え、おしゃべりのできるサロンを開設します。そのサロンで歌声喫茶やシネマ鑑賞など様々な催しを展開。
③健康づくり事業
上記のサロンを活用したり、各集落の公民館へ出張して「いきいき百歳体操」などの健康体操を定期的に開催します。また、天気がよい時は景色のいい町内を散歩します。
矢野町で、ぜひこういうことをワイワイおしゃべりしながら話し合える検討チームを作りたいと思っています。「ちょっとおもしろそうやな」、「やってみよか」と思われる方は、矢野町交流広場にいるコミュニティ支援員の古賀までご連絡ください。6月19日〆切。
(電話FAX:0791‐29‐1580、メール:info@yano-cho.com)。
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